はじめに
子供達に会う前の話を時系列に合わせてお話しできればと思います。
主にパパが書いていますのでパパ目線ですが、ママにも確認してもらっています。
大丈夫、この記事の結末は皆さんが知ってる通りの結果です。
ただ、そこ至る過程があるのです。
夫婦がちょっと親バカになる理由がわかるかもしれません。
ふたごが将来見た時の為に、最初に大事な事を書いておきます。
「君たちはこんなにも望まれて産まれてきたんだ!」
全ては軽い気持ちから始まった・・
全てはパパの一言から始まった。
平成30年5月頃
僕らの当時の状況
パパ29歳、ママ29歳 結婚3年目。関係は良好。
僕らは避妊しなければ、自然に妊娠するだろうという意識だった。
全く深刻に考えていない夫婦でした。
なぜ、不妊検査を受けたのか?今から振り返っても思い出せないくらい。
父や母が僕を産んだ年齢に近づくにつれて漠然とした不安になったかもしれない。
詳しくは覚えていない。なんとなく発した一言
「ねぇ、一緒に不妊検査してみない?」
ママ曰く「受けておいでよ」では行かなかった。
「一緒に」だったから行ったんだと思う。
男性陣に伝えておく、不妊は女性だけの問題ではなく夫婦の問題である。
ちょっとだけ偉そうに書いてみた。
はじめの一歩
自宅の近くで不妊検査が出来る病院を検索して予約。
選んだ理由は、「近い」「サイト綺麗」というもの。レビューを見ても全く分からない。
うまくいったら「いい先生でした!」といい評価。うまくいかなかったら悪い評価という印象受けて感情的な感想が多いから参考にならなかった。
パパが凄く緊張しながら予約した。予約した際の荷物の確認などの流れで、体温計に婦人用というものがある事を知る。パパの不妊に関する知識そんなレベルだった。
検査当日ママは尿検査、パパは精液検査を行う。
ママは翌日にまた通院し血液検査を追加で行う。その後、毎週のように血液検査を行って身体の状態を把握する事になる。
不妊治療が始まると仕事への影響があると聞くと思う。
それは、検査や治療が生理等の体調の変化を鑑みながら行う部分が大きい。
周囲の理解が必須になると思うから、一人で受診するより夫婦で検査する事をオススメする。
検査結果
検査の結果、ある事がわかる。ママのAMHという数値が低かったのだ。
AMHについては、別の記事で説明しようと思うので、ひとまず置いておこう。
ママの状況を一言でいえば
「妊娠には問題ないが、妊娠できるチャンスが残り少ない」
子供が欲しいなら治療を急いだほうが良いというのが医師の判断だった。
この衝撃の結果がもたらされたのは検査を受けようか?と相談してから1ヵ月後という事。
夫婦で将来と向き合う
僕らは子供が欲しいのか?という大前提の話から始まった。
どの治療を受けるのか?タイミング療法?人工授精?
それぞれの治療法のメリット、デメリットを書きだして話し合う。話し合う中で二人とも「やっぱり、欲しい」という気持ちがある事を再認識する。
もう一つ話し合ったことがある。
現在の病院で治療を受けるのか?という点だ。検査の為何度か通院して色々不満があった。
例えば「会計を忘れられる」「検査結果の費用を二回請求される」「受付の人と医師の説明が違う」「薬の飲み方の説明がない」
ただ、病院を変えると検査の為に支払ったお金や時間を無駄になる可能性が高い。
話し合いは比較的スムーズに終わった。
信頼できない病院で治療を行いたくないというものだった。
今度は真剣に病院探しを始めた。
徹夜明けで説明会~男性不妊を考える~
病院を調べていると不妊について無料講座を見つけた。
品川駅近くにある男性不妊も取り扱っている病院。
知識不足も感じたので、いい機会と思い受講。
パパは徹夜明けで凄く態度の悪い生徒だったと思う。
ごめんなさい、途中で何度か寝ていました。寝ていた癖に講座後に平然と質問しに行くパパに呆れるママ。
講座を受けてママから指摘を受ける。
「パパももう一回検査したら?」
前の病院の精液検査で「異常なし」という判定だったパパ。
しかし、講師の先生が「男性の泌尿器科のある病院の方が詳細な検査が出来る」と話していた。
なるほど!確かに一理ある。
その場で検査日を予約し後日検査。
治療するにも先立つものが必要!ぐすん
パパの結果は、「数値的には問題ないけど・・・ちょっと気になることがあるね」と若い男医師。詳細な検査を進められる。
パパが「数値的には問題ないけど、先生としては詳細な検査を受けた方が良いと思いますか?」と質問。
医師は「はい」即答だった。正直な所、通院も面倒でお金もかかるので嫌だったが、若い医師の迷いのない判断に直感的に「受けた方がいい」と感じ検査。
結果:変わった形の精子が多い
医師の説明をまとめると「精子が目的地まで辿り着く可能性が低い」ことだ。
ママの検査結果
「妊娠には問題ないが、妊娠できるチャンスが残り少ない」
パパの検査結果
「精子が目的地まで辿り着く可能性が低い」
この二つをまとめると
パパの精子はママの卵子まで辿り着く確率が低く、
ママの卵子が出来る残りの期間は短い。
つまり、
「今のままだと妊娠する確率が低く、近いうちに妊娠することができなくなる」
夫婦で問題を抱えていた。
どちらか一人だったら、自然妊娠をしていたかもしれない。
パパの精子が普通の人の確率だったら、すでに子供が生まれていたかもしれない。ママの期間がもう少しあれば自然妊娠を待っても良かったかもしれない。
僕らはまだ20代。不妊治療を受ける周りの方々と比べて比較的若いように思えたが、そんなのは関係ない。
なぜなら、コレは僕らの問題。
結果を踏まえて、どうやって不妊治療を進めていこうか話し合った。
パパの体質改善の為に手術をしてから人工授精を試すか、
体外受精を行うか。
時間やリスク、費用面を考慮して検討した。
1回の治療で、人工授精が5万~10万程度なのにに対して、体外受精は100万を超える事も珍しくない。
不妊治療のお金がかかるイメージは体外受精の額と終わりが見えない点があげられるのだろう。
相談結果、僕らは「体外受精」を選んだ。その中でも卵子に注射で直接精子を入れる「顕微授精」を選択。
体外受精?顕微授精?何が言いたいかというと、べらぼうに高けぇという話。この頃になると診察代一回5万円が安くみえる金銭感覚になっていた。自分の洋服に5000円を高いと話していた妻が5万円が安いとは異常な感覚だと思う。精算機に一万円札がむしゃむしゃ食べられていく様は、終わりのない出費を不安に思うには十分だった。
注射!注射!エブリデイ注射!
ママは採卵日の一週間前からは注射を毎日打っていた。卵子を多く採取する為に卵子の成長を促進する注射である。
ママの頑張りもあり7個の卵子が取れた。受精後、数日間成長させてから凍結する予定。
受精前に、医師から「何個凍結するかを決めてください」と言われて夫婦でとても悩んだ。たくさん凍結すればお金がかかるが、数を決めてしまうとなんたが命を捨てるような感じもするから諦めるのは嫌だな。悩んだ結果、成長した卵子はすべて凍結しよう。キョウダイを産む時に出会えるかもしれない。
しかし、数日後無事に成長したのは、1個だけ。
7個の受精卵の内6個は途中で成長が止まってしまった。7個ある事に少し気持ちの余裕があった僕らはすごく落ち込んだ。医師は一個だけですが、グレードはいいですよと話してくれたが、内心は悩んだ意味がなかったなぁと上の空だった。
無事に成長した受精卵を凍結し、ママの身体に戻す時期を待つことに。10月頃の事である。
5月に不妊検査を行った夫婦は5か月後に顕微授精をしていた。半年経っていないのである。
5カ月間でママは仕事を辞めた。
治療費でどんどん減る残高、決断の連続で不安な気持ちで一杯だった。
1ヵ月経つ。時期は来ず10月末。
更に1ヵ月経つ。時期は来ず11月末。
不安の中で2ヵ月が経つ。年明けちゃうよ!と思い焦り始めたころ、時期がきた。
医師と受精卵を戻す時期を相談する。
受精卵を解凍した際にスリット(切り込み)を入れる治療をどうするか?
医師に聞かれる。ママの身体の中でうまく成長できる可能性があがるらしい。
ふたごになる等のリスクを説明される。ふたごってリスクなの?とこの頃は深く考えていなかったよ。
悩んだ結果、行ってもらう事を決める。
しかし、解凍したらもうすでにスリットが入っていた。
ここでも悩んだ結論は意味をなさなかった。
不妊治療をしていると悩んでも思い通りに行かないことも多い。
心臓、バクバク。医師は平然と告げる。
12月27日にママの身体に受精卵を戻す。翌年、1月7日に結果がわかる。
年明けから今後の行く末を決める結果が出る。上手くいっていない場合は、今までの時間、手間、お金がすべて水の泡になる。考えると不安で仕方がない。
何より「また頑張ろう」と思えるだろうか?毎日注射を打っていたママの姿を想うと言葉にするのは難しい。頑張った人間に対して「頑張ろう」とは言い辛い。
彼らは二人でやってきた!?
年が明け、1月7日。
不安の中、夫婦で話を聞きに病院に向かう。
医師からは「おめでとうございます」と一言。
その後、医師はすぐに今後の流れを話し始めた。ビックリするくらい冷静だった。
僕らも特に歓喜することなく冷静に話を聞く。
病院から出て初めて二人で話す。
嬉しいより安心の方が勝っていた。
「今までの苦労が全て無駄になるのか」、「無駄に終わった後何を話そうか」等、不安になる要素は多かったから。
不安から解放された喜びは凄かった。
妊娠の結果を聞いた次の通院。赤ちゃんの心臓の音を確認しに行った妻から電話がかかってきた。
滅多にかかってこない電話に不安になる。
「あの・・二人いらっしゃるみたいなんですよ」
頭にクエッションマークが浮かぶ。二人?誰が?何の話をしているのだろうか?とママの動揺の正体がわからないパパ。
ママから双子という単語が出て理解した。
そして、動揺した。
「いやいや、うそでしょ?なんで?」
ママ曰く
医師も二人いるようですねと動揺していたらしい。僕らは卵子を一つしか戻していないから、ほぼ間違いなく一卵性である。
何度かの通院の後、僕らは不妊治療を卒業した。
出産でもドタバタは続くが、それはまた別のお話。
最後に
平成30年5月に僕ら夫婦は人生で一番素晴らしい決断をした。
あの時検査をしていなかったら、赤ちゃんに会う事はなかったかもしれない。
長々と思い出話にお付き合い頂き、ありがとうございます。
これを読んで頂けたら、「ふたごチャンネルJapanesetwins」を見る目が変わるかなと思います。
ぜひ、ふたごのレッドとグリーンを画面越しで愛でてください。